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平成30年度「第3回 保井コノ賞」選考結果報告

2019年3月6日更新

平成30(2018)年度「第3回 保井コノ賞」選考結果報告

保井コノ賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 理学部長 山田眞二

第3回保井コノ賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の2氏を保井コノ賞候補者として本学学長に推薦し、了承を得ました。

「保井コノ賞」設立趣旨についてはこちらをご覧ください

保井コノ賞

沓掛 磨也子 氏
(産業技術総合研究所 主任研究員)

業績「アブラムシにおける社会性の分子基盤と進化に関する研究」

沓掛氏は、昆虫社会の成立?維持機構およびその進化に関し、生態や行動から生理、発生、細胞、分子に渡る総合的なアプローチを駆使して研究を行い、これまで多くの優れた成果を挙げている。特に、世界で初めて社会性アブラムシにおける兵隊階級の利他行動に関連する分子を同定したこと、また、アブラムシが植物を介し、間接的に巣の清掃を行うことによりコロニーの衛生状態を維持していること、さらに、動物が植物にできた傷を治すという現象を発見したことは、世界中から注目されている。
以上のことから、本選考委員会は沓掛氏の顕著な業績は保井コノ賞を授賞するに相応しいものであると判断した。

保井コノ賞

南後 恵理子 氏
(理化学研究所放射光科学研究センターXFEL研究開発部門 研究員)

業績「X線自由電子レーザーによるタンパク質の動的構造と機能発現機構の解析」

南後氏の主な研究テーマは、X線自由電子レーザーによるタンパク質の動的構造変化の解析であり、これまで顕著な成果を挙げてきた。例えば、高度好塩菌の膜に存在する光駆動型プロトンポンプであるバクテリオロドプシンの構造変化を時分割で観察することに成功した。また、光合成に関与する光化学系IIでの時分割実験にも成功している。これらの南後氏の業績は、国内はもとより世界的に注目されている。
以上のことから、本選考委員会は南後氏の業績は保井コノ賞を授賞するに相応しいものであると判断した。

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